グアムはもう終わりなのか?いま行っておきたい理由と、知られざるチャモロカルチャーの魅力

「グアムって、もう古くない?」その問いに、Noと答えたい。「グアムが過疎っている」という声も耳にするようになった。1994年に130万人を誇った日本人観光客は、2024年には約20万人にまで落ち込んでいる。円安が追い打ちをかけ、沖縄より高く、ハワイよりは安い。その中途半端なポジションが槍玉にあがる。しかし、グアムをそう切り捨てるのは早計だろう。観光客数の変化は、グアムの本質を何も変えていない。むしろ、混雑が引いた今こそ、この島の素が見えてくる。

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ちょうどいい人混みが、グアムの新しい魅力

現在のグアムを支える観光客は日本人だけでなく、韓国人とアメリカ本土からの旅行者が中心となっている。2024年の韓国人入国者は約37.4万人で、日本人の約1.8倍にのぼる。加えて島内には米軍基地があり、アメリカ本土からの軍関係者とその家族も多く暮らしている。

かつてのグアムといえば、日本人観光客で溢れ返るビーチとショッピングモールが定番の光景だった。今は違う。タモン湾のビーチに立てば、多国籍な顔ぶれが穏やかに共存しているレストランに並ぶことなく席に着ける。ホテルのプールサイドで場所の奪い合いもない。「空いている」は、もはやグアムの弱点ではなく、最大の強みと言えるだろう。チャモロ(先住民)、米軍関係者、韓国・日本・アジアからの観光客。この多文化な混在こそが、グアムのストリートに独特の空気感を生んでいる。

星野リゾート上陸という事実

日本を代表する高級リゾートブランド・星野リゾートが、グアムに大型投資を行っている。オンワードホールディングスが1992年から30年にわたって運営してきたオンワード ビーチ リゾート グアムを、星野リゾートが総額85億円で取得。2023年4月に星野リゾート リゾナーレグアムとして生まれ変わり、現在も改装を継続中。2025年から2026年夏にかけてはウイング棟前一帯にビーチクラブの新設工事が進行しており、新ダイニングやウォーターパーク新レセプションなども整備される予定だ。星野リゾートにとってこれは、海外初の「リゾナーレ」ブランド展開となる。

フライト3時間半で味わう、本物のアメリカ

グアムの面白さは、アメリカ本土のカルチャーがそのまま持ち込まれている点にある。ハワイとは違う、観光地化されていない素のアメリカがここにある。テキサス発のステーキチェーン「LongHorn Steakhouse」でガーリックバターのTボーンを切り、KmartやCost-U-Lessのような巨大スーパーマーケットをカートで練り歩く。

Cost-U-Less
K MARTで陳列されている大量のHanes

Foot LockerやMacy’sといった本土直系のブランドが、マイクロネシアモールで見ることができる。また、Ross Dress for Lessでは掘り出し物のブランド品をアメリカ価格で手に入れることも珍しくない。さらに、ショッピングモールのフードコートには日本料理のほかに、韓国料理とチャモロ料理が並び、BGMはアメリカの定番ポップ。まるで異なる文明が自然に混ざり合った、グアムにしか存在しないカルチャーがここにある。

マイクロネシアモール内のFOOT LOCKER
アメリカブランドを中心に掘り出し物が見つかる ROSS FOR DRESS

ハワイより美しいビーチと、充実のホテルプール

グアムを語るうえで外せないのがビーチの透明度だろう。タモン湾の白砂とコバルトブルーの海は、ハワイのワイキキと比べても遜色ない。人の多さを差し引けば上回ると言う旅行者も少なくない。波が穏やかで遠浅なため、子どもから年配者まで安心して泳げる。

ローカルにも人気なイーパオビーチ

加えてグアムのホテルは、星野リゾートのように、プールの充実度が高い。ウォータースライダー付きの大型プールを持つリゾートホテルも多く、日焼けしながらラウンジチェアでビールを飲む。そんな何もしない贅沢が、グアムでは完成する。ビーチとプールの二択を一泊で楽しめる島は、意外と世界中にない。

星野リゾート リゾナーレグアムから見える大型プールとビーチ

4,000年の歴史、チャモロ文化という深み

チャモロ文化の始まりは紀元前1500年頃に遡り、東南アジアの島から渡来した民族がグアムに居住したとされている。スペイン植民地時代、そして第二次世界大戦での日本軍占領とアメリカによる解放、複雑な歴史の層が折り重なりながら、チャモロの人々は独自の文化を守り続けてきた。

毎週水曜夜に開かれるチャモロ・ビレッジ・ナイトマーケットでは、ローカルフードの屋台や伝統工芸品の店が並び、チャモロダンスショーも観ることができる。チャモロ料理の定番レッドライスとケラグエンを手に、夜風に吹かれながら屋台を歩く時間は、どのリゾートにも代えられない体験だ。おすすめは、Kris BBQで食べるチャモロ料理とフルーツを贅沢に使ったスムージーだ。チャモロ語の挨拶「ハファデイ(Håfa Adai)」は”ようこそ”の意味。島のいたるところで耳にするこの言葉が、グアムの空気を温かくしている。

常に多くの人で列をなすKris BBQ

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結局、グアムはいまが「旬」かもしれない。

観光客数の減少はグアムの終わりではなく、グアムの本来の姿への回帰だ。混雑という化粧が落ちた今、アメリカの文化、チャモロの魂、透き通った海が、よりくっきりと浮かび上がってくる。東京から3時間半、ぜひ気軽に訪れてみてほしい。

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